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本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項については、以下のようなものがあります。
当社グループは、これらのリスク発生の可能性を十分に認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ではありますが、当社株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。
①製品部品等調達リスク
当社グループのバルブ製造販売事業における材料、半製品、製品、商品等は、海外生産拠点においても生産されております。その主要な海外生産拠点はマレーシア及び中国であり、当該国の経済、政治、法律・税制、規制、災害等により、材料等の供給ストップや遅延のリスクが存在します。それにより当社グループの事業活動及び業績について大きく影響を受ける可能性があります。また各国調達先での新型コロナウイルス感染症再拡大による工場閉鎖のリスクもあり、材料等に関する調達へ影響を及ぼす可能性があります。適切なサプライチェーンの維持の必要性が高まっているため、本項目の重要度が増しております。
対応策として、当社グループでは当該リスクが顕在化した時の影響の軽減化をはかるため、製品部品等の調達に関して日本において代替的に行うこと、また、各製造拠点の保有在庫を活用すること等の対策を講じております。
②販売リスク
当社グループの売上高の約30%は、海外において販売されております。主要な販売地域はアジア地域でありますが、当該地域の経済、政治、法律・税制、規制、災害等の情勢により、販売等に影響を及ぼすリスクが存在します。具体的には、各国の政治的施策、為替政策、大規模な自然災害、新型コロナウイルスに代表されるような感染症の拡大等による当社顧客の操業停止に伴う販売活動の停滞を想定しております。それにより当社グループの事業活動及び業績について影響を受ける可能性があります。
対応策として、当社グループでは販売代理店との連絡を密にして現地情報の収集を図り適宜適切に対応出来るよう努めております。
大地震等の大規模な自然災害が発生した場合には、当社グループの有する資産の棄損、滅失等、また、物流網への被害により、当社グループの事業活動の停止や復旧遅延により業績に影響を及ぼす可能性があります。具体的には、東南海沖を中心とした大規模な地震の発生とそれに伴う大津波、また巨大台風による大規模な水害が発生した場合には、製品の安定供給ができなくなる等の影響が考えられます。
対応策として、当社グループでは定期的に防災訓練を行い社員意識の向上を目指すと共に、BCP規程を整備し事業の早期復旧が出来る体制作りに努めております。
当社グループの製品の多くは受注生産であり、主要需要先は造船業界及び建設業界、電力業界をはじめとするプラント業界であります。そのため、これらの主要需要先の動向及び経済情勢の変動により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
対応策として、当社グループではそうしたリスクを補うべく、売上高の維持・拡大を図るべく販売先の分散化や新規需要分野の開拓、新規取引先の開拓に注力しております。
当社グループのバルブ製造販売事業はバルブの生産に伴い、銅、ステンレス、アルミ、鉄等の各種金属素材等を調達しておりますが、国内又は国際市況の急騰リスクが存在します。また生産に必要な数量の確保が困難となる場合も想定されます。更に、原材料高騰の製品価格への転嫁の遅れ、又は困難等も想定されます。これらにより当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
対応策として、当社グループでは新規サプライヤーの開拓による安定供給元の確保に努めると共に生産性改善等の取り組みを進め、設計見直しによる原材料使用量の低減に努めております。
当社グループは、顧客の細かな要望に応えるべくカスタマイズ品に注力し、独創的な技術による競合他社の少ない未開拓市場(ブルーオーシャン)への進出により業容拡大を図っています。しかしながら少なからず競合他社が存在しております。今後更に競合他社が増加し価格引き下げ圧力が強まれば価格競争に陥り、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
対応策として、当社グループでは研究開発等を推進することにより更なる付加価値を持つ製品の開発を目指すと共に、既存商品の設計見直しや部材の見直し、更には生産性の改善を進めることでコストダウンに取り組み価格競争力の向上に努めております。
当社グループが事業を遂行する上で必要となる知的財産権につき、当該権利の保有者よりライセンス等を受けられず、その結果特定の技術、商品、又はサービスを提供できなくなる可能性があります。これにより当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
特に当社グループの製品には、MAN Energy Solutionsより製品認証を取得し、製造販売している船舶排ガス用バルブがあります。その製品認証は期間ごとに更新をしていく必要があります。MAN Energy Solutionsが何らかの理由により認証更新しない場合には、当社グループの根幹となっている船舶排ガス用バルブが製造・販売できず業績について影響を受ける可能性があります。
対応策として、当社グループでは品質管理体制を充実させ認証に合致した製品の製造・販売に務めると共にMAN Energy Solutionsとのコミュニケーションを密にし、連携を強化しております。
当社グループは、他社製品と差別化出来る技術とノウハウを蓄積し、ブランドを確立しておりますが、個別に対策は講じているものの、海外の特定地域においては第三者が当社グループの製品を模倣し製造及び販売することを効果的に防止できない可能性があります。模倣品と比較した当社グループ製品の性能及び品質面における優位性から当社グループのシェアを奪われる可能性は低いと考えておりますが、模倣品を当社グループ製品と誤認され性能及び品質に係るブランド力の低下が生じた場合、受注が減少する等により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
対応策として、当社グループではこれらのリスクに対し、研究開発及び設計にあたって第三者の知的財産権の調査を実施しています。また、社員との関係においては、知的財産管理規程を定め、発明者に対する褒賞制度を整備し適切な対応を取っています。
当社グループは、事業を展開する上で、顧客及び取引先、当社グループ内の機密情報や個人情報を有しています。これらの情報は、外部流出や破壊、改ざん等が無いように、グループ全体で管理体制を構築し、徹底した管理とITセキュリティ、施設セキュリティの強化、従業員教育等の施策を実行しております。しかしながら、外部からの攻撃や、内部的過失や盗難等により、これらの情報の流出、破壊もしくは改ざん又は情報システムの停止等が引き起こされる可能性があります。このような事態が生じた場合には、信用低下、被害を受けた方への損害賠償等の費用の発生、又は業務の停止等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
対応策として、当社グループでは情報セキュリティに関する管理体制やルールの整備を進めると共に情報マインドを高めるための社員教育、情報の取り扱いに関するモニタリング、法規制強化への対応等情報セキュリティ強化の対策を講じております。
為替相場の変動は、連結決算における連結子会社財務諸表の円貨換算額及び輸出入取引に係る為替換算額に影響を与えるため、為替相場に著しい変動が生じた場合は、為替差損益の発生により当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
対応策として、当社グループでは為替リスク管理規程を整備し、常に為替相場を注視しながら先物予約等の活用により相場の急変に対応しております。
当社グループの製品には、製造物責任のリスクが内在していることから、リスクの顕在化に備えてPL保険に加入しております。しかしながら、製品の欠陥に起因して大規模な製品回収や損害賠償につながるリスクが現実化し、これを保険により補填できない事態が生じた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
対応策として、当社グループでは量産調達前の試作品評価や製造工程における各種検査の実施、発見された不具合に対する原因追究と改善の徹底といった品質管理体制を構築し、品質強化への取り組みに注力しております。
当社グループは、事業活動又は知的財産権について、訴訟、係争、その他法律的手続きの対象となる可能性があり、重要な訴訟等が提訴されることにより、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。当社グループが仮に第三者から訴えられた場合、訴訟活動や和解交渉が必要となり、そのための費用が発生する他、これらの係争において当社グループの主張が認められなかった場合には、損害賠償の支払が必要になる等、市場を失うリスクが発生する恐れがあります。
対応策として、当社グループでは複数の弁護士と顧問契約を結び、適切に法律対応出来る体制をとっております。また諸契約の締結時には事前のリーガルチェックを徹底することで契約上のリスク排除に努めております。
当社グループでは緊急事態等対応規程を定め、感染症を含む緊急事態対応について明記しており、緊急対策本部を設置し指示命令系統を構築すること等の対策を行っております。当社グループの事業を行っている地域において、新型インフルエンザや新型コロナウイルス等の感染症が蔓延した場合には、これによる経済の停止や事業停止等により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。なお、今回の新型コロナウイルス感染症に際しては、早期に代表取締役社長を本部長とする「新型コロナウイルス緊急対策本部」を立上げ、情報の集約と指示命令の一元化を図りました。具体的には営業拠点(東京、名古屋、大阪、広島、福岡)は3密を回避するため時差出勤とテレワークの導入を実施し、本社・滋賀日野工場におきましては同一部署を2班に分けて勤務場所を分離する隔離対応やシフト勤務を実施いたしました。
また、毎日の検温の実施や飛沫の防止対策として仕切り版を設置する等、感染予防や感染拡大に対して適切な措置を継続して行っております。